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エンパグリフロジンが糖尿病の心リスクを減少

こんにちは、尿にブドウ糖を排出し血糖値を下げるSGLT2阻害薬に心血管疾患に対して良い影響をあたえる最初の文献で、これを機に糖尿病専門医だけでなく多くの医師によりSGLT2阻害薬が処方されるようになりました。

Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes.
Zinman B,et al. N Engl J Med. 2015 Nov 26;373(22):2117-28

心血管リスクが高い2型糖尿病患者7020例を対象に、標準治療に追加したエンパグリフロジンの効果を無作為化試験で検証(EMPA-REG OUTCOME試験)。主要複合評価項目(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)発生率はエンパグリフロジン群10.5%、プラセボ群12.1%だった(ハザード比0.86;95.02%CI, 0.74 – 0.99;優越性のP=0.04)。心筋梗塞・脳卒中発症に差はなかったが、エンパグリフロジン群では心血管死・心不全による入院・全死因死亡がが低かった(相対リスクの減少は順に38%、35%、32%)。