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脳出血既往で脳梗塞や心筋梗塞のリスク上昇

こんにちは、脳出血は脳内の血管が何らかの原因で破れて脳内に出血を来すことによって生じ麻痺や言語障害、時に致命的になることがある疾患です。一方で脳梗塞や心筋梗塞は血管が血栓等によりつまってしまう疾患です。一見、病態に違いがあるように思われますが血管に負荷がかかった状態から発症するという点では共通しています。今回の文献では脳内出血を生じたことがある人は脳梗塞や心筋梗塞になる可能性が高くなるというものであり、脳内出血の既往のある人は血圧、血糖、脂質の良好な管理や禁煙、肥満の是正などが重要であることが示唆されます。

Association Between Intracerebral Hemorrhage and Subsequent Arterial Ischemic Events in Participants From 4 Population-Based Cohort Studies. 
Murthy SB, et al.  JAMA Neurol. 2021 May 3. 

 住民対象コホート試験4件[Atherosclerosis Risk in Communities(ARIC)試験、Cardiovascular Health Study(CHS)、Northern Manhattan Study(NOMAS)、Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke(REGARDS)試験)]の参加者4万7866例(女性57.7%、平均年齢62.2歳)の縦断的個別データを用いて、脳内出血と動脈虚血イベント(虚血性脳卒中と心筋梗塞の複合)の関連を検討。追跡期間中央値12.7年で318件の脳内出血、7648件の動脈虚血性イベントが確認された。
 100人年当たりの動脈虚血イベント発生率は、脳内出血既往あり群3.6件、既往なし群1.1件だった。脳内出血に動脈虚血性イベント(調整後ハザード比2.3、95%CI 1.7-3.1)、虚血性脳卒中(同3.1、2.1-4.5)、心筋梗塞(同1.9、1.2-2.9)との関連が認められた。感度解析で、時変共変量を更新した場合(ハザード比2.2、1.6-3.0)、罹患密度のマッチングを用いた場合(オッズ比2.3、1.3-4.2)、脳内出血や虚血性脳卒中、心筋梗塞の有病者を対象に含めた場合(ハザード比2.2、1.6-2.9)、競合リスクに死亡を用いた場合(部分分布ハザード比1.6、1.1-2.1)脳内出血に動脈虚血イベントとの関連が認められた。