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甲状腺の病気と食事|橋本病で気をつけるべき食材リスト


橋本病と診断されると「海藻は一生禁止?」と不安になるかもしれません。過度な制限が必要なケースは限られています。


極端な食事制限が必要なケースは稀です。大切なのは「禁止」ではなく、特定の成分を「摂りすぎない」ことです。今回は、橋本病における食事の注意点を解説します。


■甲状腺の病気と食事の関係|橋本病で食事「制限」は必要?


橋本病だからといって、必ずしも厳しい食事制限が必要なわけではありません。基本は「バランスの良い食事」で問題ないことが多いです。甲状腺に影響を与える成分を「摂りすぎない」ように調整しましょう。


◎甲状腺ホルモンと食事の深い関わり

甲状腺は、新陳代謝を調整する「甲状腺ホルモン」を作る臓器です。このホルモンの材料となるのが、食事に含まれるミネラルです。


摂取した栄養素は甲状腺の働きに直接影響します。材料が不足することも問題ですが、過剰に摂取しすぎると、かえって甲状腺の負担になることがあります。


◎「食べてはいけない」ではなく「過剰摂取」に注意しよう

日本人の食生活は、世界的に見ても海藻類を多く摂取する傾向にあります。そのため、意識せずにいると甲状腺に影響する成分を必要以上に摂ってしまうかもしれません。


橋本病の方の場合、過剰摂取によって甲状腺の機能低下を招いたり、腫れの原因になったりすることがあります。「絶対に食べてはいけない」ではなく、量を適切にコントロールすることが重要です。


■橋本病で一番注意すべき栄養素「ヨウ素(ヨード)」とは


橋本病の方が食事で注意すべき栄養素は「ヨウ素(ヨード)」です。ヨウ素は甲状腺ホルモンの主原料ですが、橋本病の方にとっては、摂りすぎると甲状腺機能に悪影響を及ぼす性質があります。


◎なぜヨウ素を摂りすぎると良くないの?

甲状腺には、ヨウ素が多量に入ってくると、ホルモンの合成を一時的に抑制する働きがあります。健康な方であればすぐに回復しますが、橋本病で甲状腺機能が低下している場合、そのまま機能低下(甲状腺機能低下症)を引き起こすリスクがあります。


甲状腺の負担を減らすために、ヨウ素の過剰摂取は避けることが必要です。


◎1日に摂取しても良いヨウ素の目安量

健康な成人のヨウ素推奨量は1日0.13mgですが、日本人は海藻を食べる習慣があるため、平均してその10倍以上(1〜3mg)を摂取していると言われています。制限が必要な場合の目標値は状態によって異なります。


インターネット上の数値を自己判断で当てはめるのではなく、必ず主治医の指示に従ってください。


■【食材リスト】ヨウ素が多い食品と食事療法のポイント


ヨウ素を含む食品は多岐にわたりますが、含有量には大きな差があります。効率的に制限を行うために、特に含有量が多い食品を把握しておきましょう。


◎注意が必要なのは「昆布(コンブ)」と「昆布だし」

すべての食材の中で、ヨウ素含有量が多いのが「昆布」です。昆布巻きや佃煮はもちろんですが、注意が必要なのが「昆布だし」です。


だし汁には高濃度のヨウ素が溶け出しています。橋本病の食事療法において、昆布と昆布だしを控えることは重要かつ効果的な対策です。


◎わかめ・ひじき・海苔などの海藻類について

わかめ、ひじき、海苔などは、昆布に比べるとヨウ素の量は少なくなります。毎日大量に摂取することは避けるべきですが、小鉢程度や海苔数枚であれば、過度に心配する必要はありません。


頻度を減らす、一度に食べる量を控えるといった心がけで十分な場合が大半です。ただし、根昆布やとろろ昆布は昆布加工品ですので注意が必要です。


◎寒天や加工食品の注意点

寒天やところてんも海藻(テングサなど)から作られているため、ヨウ素を含みます。日常的な大量摂取は控えましょう。


また、インスタント味噌汁、カップ麺、スナック菓子などには、うま味成分として「昆布エキス」が使用されていることがあります。原材料表示を確認する習慣をつけると安心です。


■外食やコンビニで食事を選ぶ時の注意点・コツ


何が入っているか見えにくい外食も、コツを押さえれば不安を減らすことにつながります。「外食=悪」ではなく、メニュー選びで回避し、失敗しない選び方を見ていきましょう。


◎和食を選ぶ時に気をつけたい「だし」と「煮物」

和食のうどん、そば、おでん等の汁には「昆布だし」がたっぷりです。禁止とは言いませんが、「汁は残す」を意識してみましょう。


麺や具だけなら摂取量はかなり抑えられます。煮物も昆布だしが多いので、外食では頻度を控えめにすると安心です。


◎迷ったときは洋食や中華がおすすめな理由

迷ったら「和食以外」を選ぶ方が安心な場合もあります。洋食や中華のスープは、肉や野菜、鶏ガラなどがベースで昆布を使わないことが多いからです。


ハンバーグやチャーハンなど、外食時は「だし」のリスクが低いジャンルを選びましょう。


■ヨウ素制限中の疑問|これは食べても大丈夫?


制限ばかりだとストレスが溜まるかもしれません。実は、制限しなくていいものも多いので、気負わずに食卓を囲みましょう。


◎魚介類やお肉、卵は食べても平気?

「魚もダメ」は勘違いです。魚の切り身や刺身のヨウ素は、海藻と比べるとごく少量です。魚(内臓以外)、肉、卵、野菜、ご飯やパンにはヨウ素はほとんどありません。


また、メインのおかずは今まで通りで大丈夫です。海藻だけをピンポイントで避ければ、食事を楽しめます。


◎制限が必要なのは「検査前」だけの場合もある?

ネット上の「厳しい制限」は、特殊な検査(放射性ヨウ素検査)直前の人向けの情報かもしれません。一般的な橋本病の生活では、調味料まで除去するような厳密さは不要なことも多いです。


「昆布だしを避ける」程度のスタンスで十分な場合が多いので、主治医に自分の制限レベルを確認しておきましょう。


■正しい知識でストレスのない食生活を


大切なのは「ヨウ素ゼロ」を目指すことではなく、「昆布などの高濃度食品を避ける」こと。完璧を目指してストレスを溜めるより、大らかな気持ちで続ける方が体にも良いはずです。「昆布だしは避けて、他は美味しく」。メリハリのある食生活で、甲状腺をいたわりましょう。


食事制限の必要性や程度は、お一人おひとりの状態によって異なります。『自分の場合はどうなんだろう?』と気になったら、ネットの情報だけで判断せず、お気軽にご相談ください。


清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック
医師
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