ブログ blog

甲状腺の腫れはどこに出る? 首の腫れの見分け方と受診の目安


ふと鏡を見たとき「あれ、首が太くなった?」と感じたことはありませんか?首の腫れにはリンパや脂肪など色々な原因がありますが、意外と多いのが「甲状腺(こうじょうせん)」の病気です。


甲状腺の腫れには、他とは違う「場所」や「動き」の特徴があります。今回は、簡単な見分け方と、病院に行くべきタイミングを解説します。


■甲状腺の腫れはどこに出る? 場所をセルフチェック


「首が腫れている気がするけど、これってなに?」と迷ったら、まずは場所を確認しましょう。甲状腺がある位置は決まっているので、場所さえわかれば判断がつきやすい場所でもあります。


※最終的な判断は医療機関で行われます。

気になる症状が続くときは早めの受診が安心です。


◎「のどぼとけ」のすぐ下がポイント

甲状腺の位置は、首の前側、「のどぼとけ」のすぐ下です。蝶々が羽を広げたような形で気管に張り付いています。


もし、のどぼとけの下あたりや首の付け根がふっくら盛り上がっていたり、しこりがあったりするなら、それは甲状腺の腫れかもしれません。


◎顎の下や横側は「リンパ節」の可能性も

腫れているのが「顎(あご)のすぐ下」や「耳の下」、「首の真横」の場合は、甲状腺ではなく「リンパ節」が腫れているのかもしれません。リンパ節は風邪やむし歯などでも腫れやすい組織です。甲状腺はあくまで「首の中央、下のほう」にあることを覚えておきましょう。


■その首の腫れ、甲状腺かも? 見分け方、3つのポイント


場所がわかったら、次は「どんな特徴があるか」をチェックしましょう。鏡の前で少し試すだけで、甲状腺かどうかのヒントが得られます。


※最終的な判断は医療機関で行われます。

気になる症状が続くときは早めの受診が安心です。


ポイント①「ごっくん」と飲み込んで動くかどうか

鏡を見ながら、唾を「ごっくん」と飲み込んでみてください。もし、首の腫れやしこりが、のどぼとけと一緒に上下に動いたら、それは甲状腺である可能性が高くなります。逆に、飲み込んでも場所が全く動かないしこりは、皮膚のできものやリンパ節かもしれません。


ポイント② 腫れているのは「一部分」か「全体」か

首を触ったとき、ビー玉のような「丸いしこり」が一つありますか?それとも、特定のしこりではなく、首の根元が全体的に太くなっていますか?


一部分だけのしこりなら「結節(けっせつ)」、全体的な腫れなら「びまん性腫大」と呼ばれ、それぞれ疑われる病気が異なります。


ポイント③ 押して「痛い」か、熱を持っているか

軽く押したときに痛みがあるかどうかも重要です。多くの甲状腺の病気は痛みがありません。


もしズキズキ痛んだり、熱を持っていたりする場合は、急性の炎症が起きている可能性があります。痛みの有無は、緊急度を見分ける大きな手がかりです。


■腫れ方でわかるかも? 甲状腺の病気と特徴


甲状腺が腫れている場合、どんな病気が考えられるのでしょうか。腫れ方のタイプ別に、よくある病気とその特徴を簡単に紹介します。


◎コリっとしたしこりがある場合(甲状腺結節など)

のどぼとけの下にクリクリとしたしこりがある場合は、「甲状腺腫瘍」かもしれません。その多くは良性の「しこり」や「水ぶくれ」ですが、稀に悪性(がん)のこともあります。見た目だけでは良性か悪性か区別できないため、検査で確認することが必要です。


◎首全体がふっくら腫れている場合(バセドウ病・橋本病など)

しこりはないけれど首全体が太くなっている場合は、「バセドウ病」や「橋本病」といった病気が疑われます。これらは首の腫れだけでなく、「ドキドキする・汗をかく(バセドウ病)」や「だるい・むくむ(橋本病)」といった体調の変化を伴うことが多いのが特徴です。


◎痛みが強くて熱がある場合(亜急性甲状腺炎など)

ある日急に首が痛くなり、熱が出た場合は「亜急性甲状腺炎」かもしれません。風邪のような症状から始まり、首の痛い場所が右から左へと移動するのが特徴的です。喉の痛みと間違えやすいですが、痛む場所が「首の表面」ならこの病気の可能性があります。


■受診の目安は? 放置してはいけない危険サイン


「痛くないし、様子を見ようかな」と思うかもしれません。しかし、放置してはいけないサインがあります。次のような症状があれば、迷わず早めに受診するようにしましょう。


◎「声がかすれる」「急に大きくなる」ときは早めに受診を

首のしこりがここ数週間で急に大きくなってきた場合や、風邪でもないのに声がかすれる(嗄声:させい)場合は注意しましょう。しこりが周りの神経を圧迫しているサインかもしれません。悪性の可能性も否定できないため、早めの検査が必要です。


◎痛みがなくても「しこり」があれば一度は検査を

甲状腺の病気で一番怖いのは、「痛くないから大丈夫」という自己判断です。甲状腺がんは、初期には痛みを伴わないことがほとんどです。痛みがなくても、硬いしこりや違和感があるなら、一度専門家に診てもらいましょう。


■病院に行くなら何科? 検査の内容と受診先


いざ病院へ行くとき、何科に行けばいいのでしょうか。スムーズに診断を受けるための受診先選びについて説明します。


◎専門的な検査ができる「甲状腺内科」「内分泌内科」

おすすめは「甲状腺内科」や「内分泌(ないぶんぴつ)内科」です。甲状腺の専門家がいて、血液検査やエコー検査(超音波)ですぐに詳しい診断が受けられます。エコー検査はその場で甲状腺の状態がよくわかるので、安心につながるでしょう。


◎近くにない場合は「耳鼻咽喉科」や「一般内科」へ

専門の病院が近くになければ、首の病気に詳しい「耳鼻咽喉科」でも大丈夫です。また、かかりつけの「一般内科」でも相談に乗ってくれます。まずは近くの先生に「甲状腺が心配です」と伝え、必要があれば専門病院への紹介状を書いてもらいましょう。


■首の腫れが気になったら、自己判断せずに専門の医師へ


甲状腺の腫れは、「飲み込むと動く」「のどぼとけの下にある」といった特徴である程度の見当をつけられることがあります。しかし、治療が必要かは、検査をしないとわかりません。


一人で悩むよりも、一度検査を受けてスッキリさせることで患者さんの不安も和らぎます。もし何か見つかっても、甲状腺の病気にはきちんとした治療法があります。まずは気軽に、ご相談ください。


清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック
医師
⇒院長の経歴はこちら