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メトホルミンが糖を便中に排泄

こんにちは、糖尿病治療薬のメトホルミンは肝臓での糖新生を抑制したり骨格筋でのブドウ糖の取り込みを増やして血糖値を下げる薬ですが今回の文献では、従来の血糖降下作用に加えて便中に糖を排泄する作用もあることが報告されています。

Enhanced Release of Glucose Into the Intraluminal Space of the Intestine Associated With Metformin Treatment as Revealed by [18F]Fluorodeoxyglucose PET-MRI.
Morita Y, et al.  Diabetes Care
2020 Aug;43(8):1796-1802.

 メトホルミン(Met)服用中の2型糖尿病患者で、糖が腸壁と腸管腔内のいずれに集積するかを18F-FDG PET-MRIを用いて評価。年齢、BMI、HbA1c値をマッチさせたメトホルミン治療を実施していない2型糖尿病患者(対照)とのペア24組を対象とした。

 その結果、メトホルミン群の空腸、回腸、右または左半結腸のSUVmaxが対照群よりも高かった。視覚的尺度の評価でも、回腸および右または左半結腸の[18F]FDG蓄積量は、メトホルミン群の方が多かった。対照群よりもメトホルミン群の方が回腸、右または左半結腸管腔内のSUVmaxが高かったが、腸壁では同等の差は見られなかった。この結果から、メトホルミンに、ブドウ糖を便中に排泄する作用があることが示唆された。