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ワクチン接種率9割で全寮制大学の安全な生活が可能

こんにちは、今回はコロナ感染症に関する文献を紹介します。集団生活をしているとコロナ感染のリスクは高まるため全寮制の大学等では常にクラスターが発生する可能性があります。今回の論文では全寮制の大学において安全に運営するにはワクチン接種率90%と非常に高い数値が必要と報告しています。この結果通りですと、集団における種々の条件の差はあるものの、ワクチン接種が90%をいくらか下回るとクラスター感染が散発的に生じてしまうのかもしれません。

Assessing COVID-19 Prevention Strategies to Permit the Safe Opening of Residential Colleges in Fall 2021. Paltiel AD, et al.  Ann Intern Med. 2021 Aug 31. 

 米国で、大学での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する安全計画の策定に役立てるため、この秋学期に全寮制大学を安全に再開できるかをコンパートメント疫学モデルを用いた意思決定解析で評価。キャンパス内に在住または在勤する学生および教職員5000例の仮想コホートをモデルに使用し、1学期120日間の累積感染者数を推定した。

 その結果、ワクチン接種率90%を達成し、感染防御率を85%、無症候性感染防御率を25%と仮定すると、累積感染者数をキャンパス人口の5%以下に抑えつつ、ルーチンの無症候者検査を要せずにキャンパスの再開が可能になることが分かった。ワクチン接種率が50%になると、未接種者への検査を毎日実施するか、検査頻度を減らしても厳しいソーシャルディスタンスの確保や医薬品以外による予防策を再導入するかしなければ累積症例数を同水準に抑制することができないことが推定された。