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ワクチン接種後の心筋炎リスクは感染後リスクより低い

こんにちは、今回はコロナワクチンんついての文献を紹介します。ワクチンによる心筋炎はコロナ感染による心筋炎よりもリスクが低いという内容となっています。一方でワクチン非接種と比べると心筋炎は10万人当たり2.7件とワクチンの副反応としては高い割合となっているため接種後の症状等には注意する必要があります。さらにワクチン接種によりリンパ節腫脹や虫垂炎、帯状疱疹のリスクも上昇させるとあるため、接種後にはこうした副反応の出現にも注意し適切な対応が必要となります。

Safety of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Setting. N Engl J Med. 2021 Aug 25. 

 イスラエル国内最大の保険医療機関のデータを用いて、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するmRNAワクチンBNT162b2(ファイザー社製)接種の安全性を評価。ワクチン接種者と非接種者をマッチさせ、接種42日後の各有害事象のリスク比とリスク差をKaplan-Meier推定量を用いて算出した。さらに、SARS-CoV-2感染者を非感染者とマッチさせ、同じ有害事象のリスクを評価した。
 ワクチン接種者と対照の非接種者それぞれ平均88万4828例を解析対象とした。その結果、ワクチン接種で心筋炎(リスク比3.24、リスク差10万人年当たり2.7件)、リンパ節腫脹(同2.43、78.4件)、虫垂炎(同1.40、5.0件)、帯状疱疹(同1.43、15.8件)のリスクが上昇した。SARS-CoV-2感染によるリスクはワクチン接種によるリスクよりも高く、心筋炎(同18.28、11.0件)のほか、心膜炎、不整脈、深部静脈血栓症、肺塞栓症、心筋梗塞、頭蓋内出血、血小板減少症などの重篤な有害事象リスクが大幅に上昇した。