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コロナ変異株においてもワクチンの有効性高い

こんにちは、今回はコロナワクチンに関する話題です。変異株の出現でワクチンの効果が減弱する可能性が予想されますが、今回の文献では変異株に対してもワクチンの有効性は高いと結論しています。

Rosenberg ES, et al. Covid-19 Vaccine Effectiveness in New York State. N Engl J Med. 2021 Dec 1. Online ahead of print. 

 米ニューヨーク州の成人869万825例のデータを用いて、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するワクチン3種(ファイザー製BNT162b2、モデルナ製mRNA-1273およびジョンソン&ジョンソン製Ad26.COV2.S)の有効性を比較した。
 2021年5月1日から9月3日までの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染および2021年5月1日から8月31日までのCOVID-19による入院に対して、それぞれのワクチンの有効性を評価した。
 その結果、デルタ株が変異株の1.8%を占めた2021年5月1日の週のワクチン有効性中央値は、BNT162b2が91.3%、mRNA-1273が96.9%、Ad26.COV2が86.6%だった。全体の有効性中央値は93.4%だったが、デルタ株が占める割合が85.3%になった7月10日頃に73.5%に低下した。デルタ株が占める割合が99.6%に達した8月28日の週では74.2%だった。
 18-64歳の成人のCOVID-19による入院に対する有効性は86%以上を維持し、時間的傾向を認めなかった。BNT162b2またはmRNA-1273を接種した65歳以上の成人では、5月から8月にかけてワクチンの有効性が低下し、BNT162b2では94.8%から88.6%に、mRNA-1273では97.1%から93.7%になった。Ad26.COV2.Sの有効性は他のワクチンよりも低く、経時的傾向はなかった。