こんにちは、内科診療をしていると時々シェーグレン症候群の患者さんを発見します。ほとんどは眼や口腔内の乾燥症状のみですが、時折内臓病変を伴うことがあります。そうした場合にはステロイドや免疫抑制剤を使用することがあります。今回の文献では中等~重症のシェーグレン症候群の患者さんに新規生物学的製剤のianalumabが用量依存的に症状を改善したとの内容です。
Bowman SJ, et al. Safety and efficacy of subcutaneous ianalumab (VAY736) in patients with primary Sjögren’s syndrome: a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2b dose-finding trial. Lancet. 2021 Nov 30. Online ahead of print.
Bowman SJ, et al. Safety and efficacy of subcutaneous ianalumab (VAY736) in patients with primary Sjögren’s syndrome: a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2b dose-finding trial. Lancet. 2021 Nov 30. Online ahead of print.
中等症ないし重症の原発性シェーグレン症候群患者190例(18-75歳)を対象に、新規生物学的製剤ianalumab(VAY736)皮下投与(5mg、50mg、300mg、4週に1回24週間投与)の安全性および有効性を並行群間二重盲検無作為化プラセボ対照第IIb相用量設定試験(VAY736A2201)で検討した。
その結果、検討した5つの用量反応モデルのうち、4つで全体の疾患活動性(ESSDAIスコア)に統計学的に有意な用量反応が見られた。ianalumab全用量群のEULAR Sjögren’s Syndrome Disease Activity Index(ESSDAI)スコアが低下し、変化量はianalumab 300mg群が最大だった。プラセボで調整した治療前からの変化量の最小二乗平均差は-1.92点(95%CI -4.15-0.32、P=0.092)だった。3例に重篤な治療関連有害事象4件が認められた(プラセボ群の1例に肺炎、1例に胃腸炎、ianalumab 50mg群で同一の1例に虫垂炎と卵管卵巣膿瘍)。