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治療抵抗性高血圧でも原発性アルドステロン症の検査率はわずか1.6%

こんにちは、以前にも高血圧症の中に意外と原発性アルドステロン症が多いという内容の文献を紹介しました。著明な高血圧を呈し複数の降圧剤を必要とする症例ほど原発性アルドステロン症の可能性は高くなります。しかしながら実際にはそうした高血圧患者さんで原発性アルドステロン症かどうかを調べている例はほんのわずかとなっています。アルドステロン症と診断に至った際には降圧剤もミネラルコルチコイド受容体拮抗薬という降圧剤を使用したり症例によってはアルドステロンが分泌される副腎に対する手術療法が行われることから適切に診断することが必要です。当院でも高血圧症の患者さんの数%にアルドステロン症がみつかっています。

Testing for Primary Aldosteronism and Mineralocorticoid Receptor Antagonist Use Among U.S. Veterans: A Retrospective Cohort Study.
Co  et al. Ann Intern Med. 2020 Dec 29. 

 治療抵抗性高血圧がある退役軍人26万9010例を対象に、原発性アルドステロン症(PA)検査(血漿アルドステロン/レニン比)の実施率およびPA検査と科学的根拠に基づく高血圧治療の関連を後ろ向きコホート研究で検討。降圧薬3剤(利尿薬を含む)投与下の血圧測定で2回140mmHg/90mmHg以上だった場合または降圧薬4剤を要する場合を治療抵抗性高血圧と定義した。
 その結果、PA検査を実施した患者はわずか4277例(1.6%)だった。1次診療医による診察時と比べると、腎臓専門医(ハザード比2.05、95%CI 1.66-2.52)または内分泌専門医(同2.48、1.69-3.63)による診察時の方がPA検査実施率が高かった。検査実施例の方が非実施例よりもミネラルコルチコイド拮抗薬投与開始率が高く(同4.10、3.68-4.55)、長期的な血圧制御が改善した。