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糖尿病の犬の飼い主は糖尿病を発症しやすい

こんにちは、久しぶりの投稿となりますが本日は少し変わった視点からの文献を紹介します。今回の論文は飼い犬が糖尿病だと飼い主も糖尿病を発症しやすいという内容です。その理由までははっきりと言及されていませんが犬と飼い主との環境が影響するのか何なのか今後示されると面白いですね。ちなみに飼い猫の場合には飼い主の糖尿病との相関はないようです。

 The shared risk of diabetes between dog and cat owners and their pets: register based cohort study.
Delicano RA, et al. BMJ. 2020 Dec 10; 371: m4337.

 スウェーデンで犬と飼い主のペア20万8980組、猫と飼い主のペア12万3566組を対象に、ペットと飼い主の糖尿病発症リスクをコホート研究で検討した。
 その結果、2型糖尿病発症率は犬の飼い主で1000リスク人年当たり7.7例、猫の飼い主で7.9例、犬では1000リスク犬年当たり1.3例、猫では1000リスク猫年当たり2.2例だった。非糖尿病の犬の飼い主に対する糖尿病の犬の飼い主の2型糖尿病発症の粗ハザード比は1.38(95%CI 1.10-1.74)、多変量調整後ハザード比は1.32(同1.04-1.68)だった。飼い主の2型糖尿病に犬の糖尿病ハザード上昇との関連が見られ(粗ハザード比1.28、95%CI 1.01-1.63)、飼い主の年齢で調整すると関連性は弱まったものの、信頼区間は0をまたいでいた(調整後ハザード比1.11、95%CI 0.87-1.42)。猫の飼い主の2型糖尿病と猫の糖尿病に関連は見られず、非糖尿病の猫の飼い主に対する糖尿病の猫の飼い主の粗ハザード比は0.99(同0.74-1.34)、非2型糖尿病の飼い主の猫に対する2型糖尿病の飼い主の猫では1.00(同0.78-1.28)だった。