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減量手術で脂肪肝が改善

こんにちは、脂肪肝は放置すれば肝硬変に進展したり、肝がん発症することもあるため改善が必要となりますが、今回の文献では肥満を伴う2型糖尿病患者さんに減量手術(胃切除等)を実施すると脂肪肝が改善したという内容です。肥満が改善されると脂肪肝は改善されることが多いためそうした効果ではないかと思います。一方で肥満が食事・運動療法で改善しない場合もあり、そうした例では外科的手術を選択肢として考えてよさそうです。

 肥満の2型糖尿病患者100例(女性65%、平均年齢47.5歳、平均BMI 42)を対象に、スリーブ状胃切除術(SG)またはルーワイ胃バイパス術(RYGB)による脂肪肝および肝線維化改善効果を単施設無作為化比較試験(Oseberg試験)で比較した。

 その結果、手術から1年後の追跡調査までに、SG後とRYGB後のliver fat fraction(MRIの肝脂肪定量マーカー)が同程度減少した(SG-19.7%、95%CI -22.5--16.9;SG-21.5%、-24.3--18.6)。1年後、ほとんどの患者(SG群94%、RYGB群100%)の脂肪肝が消失またはまたは低グレードとなった。肝線維化マーカーELFスコア分類は、患者の77%が一定だったが、18%は1年時点で肝線維化悪化を認めた。


Seeberg KA, et al. Gastric Bypass Versus Sleeve Gastrectomy in Type 2 Diabetes: Effects on Hepatic Steatosis and Fibrosis: A Randomized Controlled Trial. 2021 Nov 30. Online ahead of print.