
「要受診」の印と、月末の予定表を見比べて
結果票のHbA1cが前年より上がり、「要受診」の文字。症状はないので、締めの業務が落ち着いてからでもよいのでは、と迷う方は少なくありません。この記事では、症状や数値の変化から受診時期を考える目安、一般内科と内分泌内科の選び方、予約前にそろえる書類を順に整理します。まず受診日を決めることが、次の一歩になります。
この記事の要点まとめ
- HbA1cの「要受診」は、症状がなくても数値と前年の変化を伝え、近日中の受診日を相談する。
- 強い口渇や嘔吐などがあれば、予約を待たず当日中に医療機関へ連絡する。
- 初診は一般内科に相談でき、健診結果票や過去の記録、お薬手帳を持参し、検査や治療を話し合う。
健診でHbA1cが「要受診」なら、内科へいつ行けばよい?

症状がなくても、結果を受け取ったら近いうちに受診日を決めるのが基本です。判定区分ごとに全員共通の期限があるわけではなく、症状と数値によって優先度が変わります。
強い口渇や嘔吐があるなら、その日の相談が必要?
はい。強いのどの渇き、急にトイレが近くなった、吐き気や嘔吐、ぼんやりして反応が鈍いといった様子があれば、予約日を待たずに当日中に医療機関へ連絡してください1。意識がはっきりしないほど重い場合は、救急受診も検討します。
症状のない「要受診」は、来月まで待ってもよい?
待てるかどうかは数値によって異なるため、自己判断で先送りしないことをおすすめします。結果票の指示、HbA1cの値、前年からの上がり幅を電話で伝え、受診日を相談してください。空腹時血糖値が126mg/dL以上の場合などは「糖尿病型」に当たります2。
ポイント
無症状なら、まずは近日中に予約を。受診を延ばしたいときは、数値を伝えたうえで医療機関と相談しましょう。
「要再検査」「要精密検査」なら、受診時期は変わる?
判定名だけでは緊急性は決まりません。再検査は同じ検査をもう一度、精密検査は別の方法で詳しく調べるという違いがあり、どちらも受診が前提です。一方の「経過観察」は、生活を見直しながら次回の健診で確かめる区分です。血圧や腎機能にも指摘があれば、予約時にまとめて伝えてください1。
HbA1cが前年より上がったら、何を見て判断する?
今回のHbA1cだけで病名や治療が決まるわけではありません。採血時の血糖値、過去の推移、ほかの指摘をあわせて見ていきます。
HbA1cと採血時の血糖値は、どう違う?
血糖値は採血したその瞬間の値で、食事の時間や体調で動きます。HbA1cは血糖の傾向を見る指標で、数値の受け止め方は医師が判断します。
診断は血糖値とHbA1cの組み合わせや再検査で行うため2、前年より上がったことだけで糖尿病と決まるわけではありません。
症状がない、血圧も150程度――様子見でよい?
様子見にせず、結果票を持って相談してください。糖尿病は初期に自覚症状がほとんどないことが多く1、高血圧にも似た傾向があります。症状がないことは、受診を見送る理由にはなりにくいのです。
生活習慣のせいと決めつけず、何を伝える?
糖尿病とひと言でいっても、原因や重症度は人それぞれで、生活習慣だけが原因とは限りません1。診察では次の情報が役立ちます。
- 親やきょうだいの糖尿病の有無
- 20歳ごろからの体重の変化
- 服用中の薬やサプリメント
- 妊娠の予定
通院を続けられるかという不安や、以前に通院をやめてしまった経験も、遠慮なくお話しください。
最初の受診先は、一般内科と内分泌内科のどちらを選ぶ?
HbA1cの指摘であれば、最初は一般内科に相談して差し支えありません。過去にも血糖の指摘がある、治療中なのに数値が上がってきたといった場合は、内分泌内科も候補になります。
健診結果だけを持って一般内科に行ってもよい?
はい、結果票があれば相談できます。健診を受けた施設に戻る方法と、自宅や職場の近くの内科を選ぶ方法があります。紹介状が必要かどうかは受診先によって違うため、予約時に確認しておくとよいでしょう。
内分泌内科に相談したいのは、どんなとき?
以前から境界域を指摘されている、他院で治療中に血糖が上がってきた、甲状腺など別のホルモンの病気も気になる、といった場合です。清水ヶ岡クリニックは内科と内分泌内科を標榜しており、院長は日本糖尿病学会専門医です。
通院先を決めるなら、何を確かめる?
再検査や結果説明で2回以上通うこともあるため、仕事や育児の合間に受診できる曜日・時間帯かを先に確かめておくと調整しやすくなります。当院は地下鉄名城線「総合リハビリセンター駅」から北側へ徒歩4分です。診療日時と予約方法は、公式サイトの案内でご確認ください。
予約から再検査・治療まで、どう進める?

結果票と過去の記録を手元に置いて予約し、初診で必要な検査と次回の予定を相談する流れが基本です。
予約時には、どの判定と数値を伝える?
「HbA1cで要受診」と判定名を伝え、今回と前年の数値、症状の有無、血圧などほかの指摘を添えます。清水ヶ岡クリニックの予約方法は公式サイトの案内をご確認ください。持参したいのは次の3点です。
- 今回の健診結果票
- 前年以前の結果(境界域だった年のものも)
- お薬手帳
初診の日に再検査は終わる? 通院は何回必要?
初診では症状や家族歴、体重の変化を伺い、必要に応じて血液・尿検査を行います。経口ブドウ糖負荷試験(ブドウ糖を飲んで血糖の変化をみる検査)を行うかや日程は、医師と相談して決めます。
結果説明を含めた通院回数は検査内容で変わります。休みを調整したい事情は、予約の段階で伝えてください。
再検査後に治療が必要なら、すぐ薬を始める?
健診結果だけで薬の開始を決めることはありません。早期の2型糖尿病では、食事や運動の見直しから始め、それで足りない場合に薬を検討するのが一般的な流れです1。
食事法には地中海食や糖質を抑える方法など複数の研究があり34、運動と薬の組み合わせも検討されています5。極端な制限を自己判断で始めず、暮らしに合う続け方を話し合いましょう。
ポイント
当院に限らず、これからどんな検査や治療を行うのか説明を受け、理解してから進めることが大切です。気になることは医師に質問しましょう。
よくある質問
Q. 健康診断が終わったあと、まず何をすればよいですか?
A. 結果票が届いたら、判定区分と「要受診」「要再検査」などの指示がある項目を確認してください。指示がある場合は、結果票を手元に置いて医療機関へ予約の連絡をするのが次の一手です。会社の健診であれば、産業医や健康管理の担当窓口に相談する方法もあります。
Q. 再検査の前日は、食事に気をつけたほうがよいですか?
A. 空腹時の採血や経口ブドウ糖負荷試験を予定している場合は、前日の夕食の時間や当日の朝食について指示があります。予約時に確認し、その指示に沿ってください。自己判断で食事を抜くことは控え、普段どおりの生活に近い状態で受けるほうが実態を把握しやすくなります。
Q. 再検査の費用はどのくらいかかりますか?
A. 健診で異常を指摘されたあとの診察や検査は、一般的に健康保険が適用されることが多く、3割負担でも初診料と血液検査の費用は検査内容によって変わります。実際の費用は医療機関や検査内容により異なり、当院の費用は診察のうえでご案内します。
Q. 以前、糖尿病の通院を途中でやめてしまいました。また相談してもよいですか?
A. もちろんご相談いただけます。通院が途切れた理由や、続けにくかった点をそのままお話しください。通院の間隔や治療の進め方は、暮らしや仕事の状況も踏まえて医師と話し合いながら決めていきます。
Q. 一度治療が始まったら、ずっと通院が続きますか?
A. 通院の頻度や期間は、検査結果や病状によって一人ひとり異なります。生活の見直しで経過をみる段階もあれば、薬を検討する段階もあり、その都度医師が判断します。見通しが気になる場合は、診察の際に遠慮なく尋ねてください。
参考文献
1. 厚生労働省. 糖尿病(e-ヘルスネット). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-002
2. 日本糖尿病学会. 糖尿病診断基準. https://www.jds.or.jp/modules/study/index.php?content_id=10
3. Parry-Strong A, Wright-McNaughton M, Weatherall M, et al. Very low carbohydrate (ketogenic) diets in type 2 diabetes: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Diabetes Obes Metab. 2022. PMID: 36064937, DOI: 10.1111/dom.14837
4. Dimba NR, Mzimela N, Sosibo AM, et al. Effectiveness of Prebiotics and Mediterranean and Plant-Based Diet on Gut Microbiota and Glycemic Control in Patients with Prediabetes or Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Meta-Analysis. Nutrients. 2024. PMID: 39408238, DOI: 10.3390/nu16193272
5. Zhao T, Yang Q, Feuerbacher JF, et al. Effects of exercise, metformin and their combination on glucose metabolism in individuals with abnormal glycaemic control: a systematic review and network meta-analysis. Br J Sports Med. 2024. PMID: 39242178, DOI: 10.1136/bjsports-2024-108127
1999年 春日井市民病院研修医
2001年 春日井市民病院内科
2005年 名古屋大学大学院医学系研究科
2009年 米国シンシナティ大学留学
2011年 ひまわりクリニック
大雄会ルーセントクリニック
2012年 千秋病院、済衆館病院
2013年 あおい在宅診療所
2016年 公立西知多総合病院 内分泌・代謝内科部長
2018年 独立行政法人地域医療機能推進機構
中京病院内分泌・糖尿病内科診療部長兼
糖尿病センター長
2020年 清水ヶ岡クリニック開院
医学博士
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本糖尿病学会専門医
日本医師会認定産業医
【所属学会】
日本内科学会
日本糖尿病学会
日本内分泌学会
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