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腎障害へのSU薬で低血糖リスク5倍

こんにちは、スルホニル尿素(SU)薬は膵臓からのインスリン分泌を促進し血糖値を下げる薬で現在の内服治療の中では最も強い薬であるため血糖コントロール不良の2型糖尿病の患者さんが服用することがあります。しかしながら最大の副作用は薬剤性低血糖で重症の場合は意識を失ったり、ひどい場合には後遺症を残すこともあります。特に腎機能が低下している患者さんではSU薬の効果が長時間継続するため食事が摂取できない際には特に注意が必要になります。今回の文献では腎機能障害があるとSU薬の低血糖リスクが5倍になると報告しています。

Risk of hypoglycaemia in users of sulphonylureas compared with metformin in relation to renal function and sulphonylurea metabolite group: population based cohort study.
van Dalem J et al.   
BMJ2016 Jul 13;354:i3625

 インスリンを除く糖尿病治療薬の新規服用者約12万人を対象に、スルホニル尿素(SU)薬と低血糖症リスクの関連を集団ベースのコホート研究で検討。SU薬のみ服用する患者の低血糖症リスクは、メトホルミンのみ服用する患者と比べ有意に高く(調整ハザード比2.50、95% CI 2.23 – 2.82)、推算糸球体濾過量<30mL/min/1.73m2の患者ではさらにリスクが上昇した(同4.96、3.76 – 6.55)。