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原発性アルドステロン症による高血圧は予想以上に多い

こんにちは、日本での高血圧人口は3-4000万人ほどとされています。ほとんどは原因がはっきりしない本態性高血圧ですが二次的に高血圧症を呈する疾患の代表が原発性アルドステロン症という内分泌疾患です。これまで高血圧の方の約10%がこの原発性アルドステロン症と考えられていましたが、今回の文献によると予想以上にアルドステロン症の頻度は高く、血圧が正常でも11%、血圧が高くなるほど有病率が増加すると報告しています。原発性アルドステロン症は通常の高血圧治療とは異なるため、高血圧と診断されたら一度は原発性アルドステロン症があるかどうかを採血で確認しておいたほうがよいかもしれません。

The Unrecognized Prevalence of Primary Aldosteronism: A Cross-sectional Study.
Brown JM , et al.  Ann Intern Med.2020 Jul 7;173(1):10-20.

 正常血圧患者289例、ステージ1高血圧患者115例、ステージ2高血圧患者203例、抵抗性高血圧患者408例を組み入れた横断試験で、レニン非依存性アルドステロン産生の有無と原発性アルドステロン症の有病率を検討。レニン非依存性アルドステロン産生の定量化および原発性アルドステロン症の確定診断には経口食塩負荷試験を用いた。

 全血圧分類でレニン非依存性アルドステロン産生が見られ、産生量が多いほど血圧上昇、カリウム利尿、血清中カリウム値低下との関連が認められた。生化学的に明白な原発性アルドステロン症調整有病率の推定値は、正常血圧群11.3%、ステージ1高血圧群15.7%、ステージ2高血圧群21.6%、抵抗性高血圧群22.0%だった。アルドステロン-レニン比は、生化学的に明白な原発性アルドステロン症検出の感度および陰性適中率が低かった。