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糖尿病治療薬のデュラグルチドで心血管・腎疾患減少

こんにちは、糖尿病治療薬は以前と比し格段にラインナップが増えました。どの薬剤も血糖降下作用はありますが今回の文献では2型糖尿病治療薬として使用される週1回の注射薬のデュラグルチド(トルリシティ)に心臓や腎臓疾患を減少させる効果があると報告しています。

Dulaglutide and renal outcomes in type 2 diabetes: an exploratory analysis of the REWIND randomised, placebo-controlled trial.
Gerstein HC et al.   Lancet. 2019 Jul 13;394(10193):131-138.

24カ国の371医療施設で心血管疾患既往歴または心血管危険因子を有する2型糖尿病患者9901例を対象に、現行の血糖降下薬レジメンへのデュラグルチド上乗せによる主要有害心血管イベントおよび腎有害転帰の改善効果を無作為化プラセボ対照試験で検討した(REWIND試験)。

 intention-to-treat解析の結果、追跡期間中央値5.4年(5万1820人年)での主要複合評価項目(初発の非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中または原因不明の死亡も含む心血管死)の100人年当たり発生率はデュラグルチド群2.4、プラセボ群2.7だった(ハザード比0.88、95%CI 0.79-0.99、P=0.026)。試験結果の探索的解析では、複合腎評価項目(初発の尿中アルブミン/クレアチニン比33.9mg/mmol超、推定糸球体濾過量のベースラインからの30%以上低下または腎代替療法)の100人年当たり発生率はデュラグルチド群3.5、プラセボ群4.1だった(同0.85、0.77-0.93、P=0.0004)。