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SGLT2阻害薬で高齢者の骨折リスク増えない

こんにちは、本日は糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬についての話題です。SGLT2阻害薬は糖尿病治療薬であるとともに心不全治療薬としても使用されますが高齢者で問題となる骨折のリスクを増やさないという内容です。糖尿病治療薬の中には高齢者において骨折のリスクを上昇させるものがありますが、本剤は安心して使用できそうです。

Association of Sodium-Glucose Cotransporter-2 Inhibitors With Fracture Risk in Older Adults With Type 2 Diabetes. Zhuo M, et al.  JAMA Netw Open.

出来高払い方式のメディケアデータを用いて、骨折歴のない高齢2型糖尿病患者(65歳以上)13万7667例を対象に、ナトリウムグルコース共輸送体2阻害薬(SGLT-2i)の投与開始と骨折リスクの関連をコホート研究で検討。ジペプチジルペプチダーゼ4阻害薬(DPP-4i)およびグルカゴン様ペプチド1受容体作動薬(GLP-1RA)とリスクを比較した。

 その結果、SGLT-2i開始者の骨折リスクは、DPP-4i開始者(ハザード比0.90、95%CI 0.73-1.11)およびGLP-1RA開始者と差がなかった。性別、フレイルの有無(非フレイル、フレイル予備軍、フレイル)、年齢(75歳未満、75歳以上)およびインスリンの使用の有無で分類した解析でも、結果は同じだった。