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糖尿病性腎症

こんにちは、今回と次回にかけ糖尿病性腎症についてのお話をしたいと思います。腎臓は左右に一つずつある臓器で、血液をろ過して老廃物を尿として排泄し体の中の水分量やナトリウムやカリウムなどの電解質を調節しています。一方で必要なタンパク質などはろ過せずに体に戻しています。その他、腎臓にはホルモンの産生や調節を行い血圧の維持や赤血球の産生、健康な骨を維持する働きなどもあります。前回お話ししましたように高血糖の状態が長く持続すると細い血管が障害されます。腎臓のろ過機能を担う糸球体は細い血管が多いので高血糖による障害を受けやすく、徐々にタンパク質であるアルブミンが微量に漏れるようになります、しかしこの段階ではほとんど自覚症状がありません。進行すると多量のタンパク質が漏れるようになりむくみや貧血、高血圧などを伴い、その後腎機能が比較的急速に低下し腎不全の状態となり最終的に人工透析が必要になります。
(ちなみに1998年以降、あらたに人工透析を開始する原因の第一位が糖尿病性腎症となっています。)

糖尿病性腎症の早期発見には、微量アルブミン尿の測定が有効ですので、糖尿病の患者さんは良好な血糖コントロールを心がけるとともに、定期的に腎機能を確認していくことも重要です。
次回は糖尿病性腎症の病期とそれぞれの段階に応じた治療についてお話ししたいと思います。