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糖尿病性腎症2

こんにちは、今回は前回に続き糖尿病性腎症についてお話ししたいと思います。

糖尿病腎症の病期は5期に分かれていて、タンパク尿と腎機能が指標となります。以下が病期別の特徴と治療です。血糖コントロールと血圧の管理が基本となり、どの病期でも重要です。症状が進行するとタンパク質と塩分を制限した食事療法が行われます。

第1期(腎症前期):
・糖尿病以外の自覚症状はなく、検査でも異常を認めない状態です。

第2期(早期腎症期):
・尿中にアルブミンというタンパク質がわずかに検出されます。
・自覚症状はほとんどありませんが、血圧が高くなることが多く厳格な血糖コントロール
 と血圧管理(ACE阻害薬やARBという降圧剤を使用することが多いです)が必要です。

第3期(顕性腎症期)
・尿中にタンパク質が出てきて、腎機能が低下していきます。
・タンパク尿が増加するとむくみが出てきます。
・厳格な血糖コントロールと血圧管理に加えて、食塩、タンパク質を制限した食事療法
 を行います。

 第4期(腎不全期):
・腎臓の糸球体で血液がろ過されず、老廃物が血液中にたまり尿毒症症状が出てきます。
・むくみに加え、体がだるい、皮膚がかゆい、夜間手足が痛い、貧血など尿毒症の症状が
 出てきます。
・厳格な血糖コントロールと血圧管理および腎症治療により重点をおいた食事療法を行い
 ます。

第5期(透析療法期):
・腎臓の機能がほぼなくなり、慢性透析療法が導入される時期です。予後は良くなく5年
 後の生存率は約50%といわれています。
・人工透析は通常週3回行います。人工透析でも症状が改善しない場合、腎移植や膵腎移
 植という選択肢もあります

腎症の進行を遅らせるために血糖コントロールはもちろん、血圧コントロール、食事療法は重要であり、きちんと治療すると腎症が良くなる方もみえます。定期的な血液・尿検査により腎症の評価を行い適切な治療を受けましょう。