ブログ blog

HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)と血糖値

HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)とは、赤血球中のヘモグロビンという色素が糖と結合している割合いを示す値で糖尿病の診断補助に用いられたり糖尿病治療中の方の血糖コントロールの指標として非常によく用いられます。血糖値は食事や運動、ストレスなどで時々刻々と変動するため、血糖値のみでは血糖コントロールの指標としては安定せず不向きです。一方でHbA1cは赤血球の寿命に関連し過去1-2か月間の血糖値の平均値とよく相関します。つまり、ふだんの血糖値が高い人はHbA1c値が高くなり ふだんの血糖値が低い人はHbA1c値は低くなります。気温にたとえると、「血糖値」が「気温」で、「HbA1c値」は「月間平均気温」のようなものとも言えます。といっても、糖尿病の方は自覚症状がないことが多くHbA1cの値が高くてもどれくらいの重症度なのか、なかなかイメージがつかないかと思います。そこで、HbA1cの数字の前に「3」をつけると体温と同じくらいの状態とイメージしていただけるかと思います。

  • HbA1c7.0 →体温37℃
  • HbA1c8.0→体温38℃
  • HbA1c9.0→体温39℃
  • HbA1c10.0 →体温40℃

糖尿病の合併症(網膜症、腎症、神経障害)を予防するためには”平熱”の状態のHbA1c値 7%未満を目指します。しかしながらHbA1c値 が8%以上の状態が続くと合併症が出る可能性が非常に高くなります。最近の研究報告ではさらにHbA1cを6%前半に維持すると動脈硬化疾患(虚血性心疾患、脳血管障害)も防ぐことができると報告されています。

当院では血糖値、尿検査、HbA1cの結果が受診時にすぐにわかります。糖尿病専門医のいる当クリニックで治療を任せてみませんか?