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2型糖尿病においてtirzepatideはセマグルチドに非劣性

こんにちは、今回も引き続きtirzepatideの文献です。GLP1受容体作動薬のセマグルチドとの比較試験ですが良好なHbA1c低下効果を示しています。

Tirzepatide versus Semaglutide Once Weekly in Patients with Type 2 Diabetes.
Frías JP, et al.   N Engl J Med. 2021 Jun 25. 

 2型糖尿病患者1879例を対象に、デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatideとセマグルチドの有効性と安全性を40週間の第III相非盲検試験で比較した。主要評価項目は、試験開始時から40週時のHbA1c値の平均変化量とした。
 主要評価項目の試験開始時から40週時までのHbA1c値の平均変化値は、tirzepatide 5mg群-2.01%ポイント、10mg群-2.24%ポイント、15mg群-2.30%ポイント、セマグルチド群-1.86%ポイントで、tirzepatide各用量群のセマグルチド群との群間差はそれぞれ-0.15%ポイント(P=0.02)、-0.39%ポイント(P<0.001)、-0.45%ポイント(P<0.001)だった。消化器系の有害事象が高頻度に発現したが(悪心:tirzepatide群17-22% vs.セマグルチド群18%、下痢:13-16% vs. 12%、嘔吐:6-10% vs. 8%)、重症度は主に軽度ないし中等度だった。tirzepatide 5mg群の0.6%、10mg群の0.2%、15mg群の1.7%、セマグルチド群の0.4%に低血糖症が発現した。tirzepatide群の5-7%、セマグルチド群の3%に重篤な有害事象が報告された。