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ワクチン接種でコロナ感染予防と感染重症化抑制に有効

こんにちは、今回はコロナワクチンに関する文献です。報道されているようにワクチン接種によってコロナ感染症を予防しまた感染した場合でも重症化を抑制することが可能で、2回接種でその効果がより高まるといった内容です。現在のワクチンが効きにくい変異株が出現してきていますが、まずはワクチン2回接種により目下のコロナ感染のパンデミックを抑え込むことが重要と思われます。

Prevention and Attenuation of Covid-19 with the BNT162b2 and mRNA-1273 Vaccines.
Thompson MG, et al. N Engl J Med. 2021 Jun 30. 

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン2種(ファイザー社/ビオンテック社製BNT162b2とモデルナ社製mRNA-1273)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防効果と感染時の重症度抑制効果を前向きコホート研究で評価。(いずれかのワクチンを接種した)医療従事者やエッセンシャルワーカー計3975例を対象に、2020年12月14日から2021年4月10日の間に毎週鼻腔ぬぐい液を採取し、RT-PCR検査を実施した。

 その結果、204例(5%)でSARS-CoV-2が検出され、そのうちワクチン接種2回を完了(2回目接種後14日以上経過)していたのは5例、ワクチン接種を一部完了(初回接種後14日以上、2回目接種後14日未満)が11例、ワクチン未接種が156例だった。接種状況不明の32例(初回接種後14日未満)は除外した。調整後のワクチン有効性は、接種完了群91%(95%CI 76-97)、接種一部完了群81%(同64-90)だった。SARS-CoV-2感染者では、接種完了または一部完了者の平均ウイルスRNA量は、未接種者よりも40%(同16-57)少なかった。発熱症状のリスクも58%低く(相対リスク0.42、95%CI 0.18-0.98)、病床日数も2.3日(同0.8-3.7)少なかった。