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糖尿病リスクになる民族別のBMI値は

こんにちは、肥満は2型糖尿病のはじまりとなることが多いため適切な体重管理は非常に重要です。また、白人は肥満を認めても遺伝的に糖尿病になりにくいことはよく知られています。今回の文献では白人の糖尿病リスクとなるBMI(体重㎏÷身長m÷身長m、体重が多いとBMIは大きくなる)値30に対して同等の民族別BMIを報告しています。この結果からは日本人においてはBMIが概ね27を超えると糖尿病のリスクが高くなることが示唆されます。

Ethnicity-specific BMI cutoffs for obesity based on type 2 diabetes risk in England: a population-based cohort study.
Caleyachetty R, et al.  Lancet Diabetes Endocrinol. 2021 May 11. 

 英国で、2型糖尿病発症リスクとなる民族別のBMI閾値を住民対象のコホート研究で検討。プライマリケア電子健康記録で特定した18歳以上の患者147万2819例のデータを用いて、白人系の閾値(30kg/m2以上)と同等となる非白人系の閾値を明らかにした。民族性の内訳は、白人系133万3816例、南アジア系7万5956例、黒人系4万9349例、中国系1万934例、アラブ系2764例だった。
 中央値6.5年の追跡で、9万7823例(6.6%)が2型糖尿病の診断を受けた。2型糖尿病の年齢および性別調整発症率が白人系と同等となるBMI閾値は、南アジア系23.9、黒人系28.1、中国系26.9、アラブ系26.6だった。