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糖尿病性腎症における降圧薬の死亡抑制効果について

こんにちは、糖尿病合併症である腎症は進行すれば透析治療などの腎代替療法が必要となります。腎症が進行すると血圧が高くなるため降圧薬をします。ARBなどの降圧薬は末期腎不全への進展を遅らせることは知られています。今回の文献では、糖尿病性腎症の患者さんにおいて降圧剤の種類によっては腎症抑制効果がありますが全死亡を抑制した薬剤はなかったという内容です。

Comparative efficacy and safety of blood pressure-lowering agents in adults with diabetes and kidney disease: a network meta-analysis.
Palmer SC,et al. Lancet. 2015 May 23;385(9982):2047-56.

糖尿病性腎症患者における降圧薬の効果を無作為化試験157件(被験者4万3256人)のネットワークメタ解析で比較。プラセボに比べ全死亡を抑制した薬剤はなかった。末期腎不全発症率はアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)+アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬併用、ARB単独で有意に低下した(オッズ比0.62、0.77)。