ブログ blog

若年発症2型糖尿病の合併症リスクは経時的に増加

こんにちは、本日は糖尿病合併症に関する文献です。若い人でも肥満や遺伝的背景をもとに2型糖尿病を発症しますが、血糖管理や併存する高血圧、高脂血症をしっかり管理しないと高い確率で若くして糖尿病合併症を発症するといった内容です。自覚症状がなくても血糖・血圧・コレステロールを良好に保つことが重要です。

Long-Term Complications in Youth-Onset Type 2 Diabetes. Bjornstad P, et al. N Engl J Med. 2021; 385: 416-426.

 若年発症2型糖尿病(T2DM)患者の長期にわたる合併症の実態を観察試験で検討。若年発症2型DMの治療を検討した多施設共同臨床試験(2004-11年)終了後、参加者の追跡を継続し、糖尿病性腎疾患、高血圧、脂質異常症、神経疾患の評価を年1回、網膜疾患の評価を追跡期間中に2回実施した(2011-20年実施)。

 観察調査試験終了時、解析対象500例の平均年齢は26.4歳、糖尿病診断後の平均期間は13.3年だった。合併症の累積発生率は、高血圧67.5%、脂質異常症51.6%、糖尿病性腎疾患54.8%、神経疾患32.4%だった。網膜疾患の有病率は2010-2011年は13.7%、2017-2018年では51.0%だった。60.1%が1つ、28.4%が2つ以上の合併症を発症した。合併症の危険因子に少数人種・民族、高血糖、高血圧、脂質異常症などだった。追跡中の有害事象は認められなかった。