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ファイザーワクチンの液性免疫は半年で低下

こんにちは、今回もコロナワクチンに関する話題です。ワクチンにより抗体ができますが半年もすると大幅に抗体価が低下し、男性、高齢者、免疫抑制薬使用者が顕著なようです。またIgG抗体値が中和抗体とよく相関するようですのでワクチン追加接種の目安としてIgG抗体値を測定するのも有用かもしれません。

Waning Immune Humoral Response to BNT162b2 Covid-19 Vaccine over 6 Months.
Levin EG, et al.  N Engl J Med. 2021 Oct 6. 

 イスラエルの医療従事者4868例を対象に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンBNT162b2(ファイザー社・ビオンテック社)2回接種後6カ月間の液性免疫応答を縦断的前向き研究で検討。抗スパイクIgG抗体と中和抗体の有無を毎月検査し、6カ月後の抗体値予測因子を明らかにした。
 その結果、IgG抗体は一定の速度で減少したが、中和抗体は最初の3カ月間は急速に、その後はいくぶん緩やかに減少した。IgG抗体値は中和抗体価と高い相関性を示した(Spearman順位相関0.68-0.75)が、IgG抗体値と中和抗体値の回帰関係はワクチン2回目接種後の時間に依存した。
 2回目接種から6カ月後の中和抗体価は、男性の方が女性よりも大幅に低く(平均値の比0.64、95%CI 0.55-0.75)、65歳以上の方が18-45歳未満よりも低く(同0.58、0.48-0.70)、免疫抑制薬使用者の方が非使用者よりも低かった(同0.30、0.20-0.46)。