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肥満なくてもメタボ危険因子があるとCVDリスクが高い

こんにちは、肥満がなくても高血圧や脂質異常症がありメタボの基準を満たす方がいます。今回の文献では肥満がない場合でも、動脈硬化因子(高血圧や脂質異常症)があれば、心血管疾患のリスクが高いと報告しています。肥満がない場合ですと食事療法の効果が限定的となる可能性あり、そうした例では薬物治療が必要になってきます。


Iso H, et al. Risk Classification for Metabolic Syndrome and the Incidence of Cardiovascular Disease in Japan With Low Prevalence of Obesity: A Pooled Analysis of 10 Prospective Cohort Studies. J Am Heart Assoc. 2021 Nov 19. Online ahead of print.

 心血管疾患(CVD)既往歴がない40-74歳の日本人2万9288人(前向きコホート研究10件)の個別データを用いて、メタボリックシンドローム予防管理プログラムによるリスク分類の妥当性を統合解析で検討。高度腹部肥満または過体重に加えて危険因子(高血圧、中性脂肪高値、HDL-C低値など)がある場合をメタボリックシンドロームと定義した。生活習慣介入のリスク分類は、情報提供のみ、動機付け支援介入、積極的支援介入だった。

 1023例がCVDを発症した。Cox比例ハザード回帰解析の結果、非肥満・過体重群と比べると、積極的支援を実施した40-64歳の男女は調整後CVDリスクが60-70%高く、動機付け支援を実施した65-74歳の女性では30%高かった。CVDの人口寄与割合は、積極的支援を実施した40-64歳の男女がそれぞれ17.7%、6.6%だったのに対して、動機付け支援を実施した65-74歳の女性では9.4%だった。危険因子がない非肥満・過体重群に比べると、危険因子がある非肥満・過体重群のCVDハザード比および人口寄与割合はメタボリックシンドローム該当者とほぼ同じだった。