ブログ blog

50歳になったら帯状疱疹ワクチン

こんにちは。

季節の変わり目や新学期など、気づかないうちに疲れがたまっていたり、加齢による免疫力低下などで発症しやすいのが「帯状疱疹」です。
帯状疱疹とは・・・
体の左右どちらかにピリピリ、ちくちくした神経痛を伴う病気です。
過去に水ぼうそうにかかったことのある人には、水痘・帯状疱疹ウイルスが体内の神経根に長期間潜伏していて、免疫力の低下とともにウイルスが再活性化し、発症します。
はじめは、「いつもの腰痛かな」と思っていたら、水ぶくれがでてきて、帯状疱疹であったということも少なくありません。
皮膚の症状は2週間程度でかさぶたとなり治っていきます。
治療には、抗ウイルス薬を内服外用してもらいます。

しかし、皮膚症状が治った後も、50歳以上の2割の方で、長い間痛みが残る「帯状疱疹後神経痛(PHN)」になる可能性があります。高齢になるほどその傾向は高くなります。痛みの程度は人によって異なりますが、睡眠や日常生活に支障をきたす場合もあります。
痛みに対しては複数の鎮痛剤を用いてできるだけ早期から治療をすることでコントロールしていきますが、コントロールが難しい場合は「神経ブロック」という治療が適応がありますので、ペインクリニックに紹介させていただいています。

このように後遺症がおこりうる帯状疱疹ですが、、
帯状疱疹はワクチン接種が有効な皮膚疾患です!!
予防接種により・・・
★発症を防ぐことができる
★もし発症しても軽症ですむ
★帯状疱疹後神経痛を予防できる

名古屋市では、2020年3月から、「帯状疱疹」ワクチンの助成事業が開始されています。
「名古屋市に在住」で、「50歳以上」の方は、通常の自己負担よりも少なく接種することができます。さらに、市民税非課税世帯、生活保護世帯の方は自己負担金免除となります。

◎帯状疱疹のワクチンには2種類があります。

①これまで帯状疱疹予防のために接種されてきたワクチンは「水痘ワクチン」で、小児の水痘(水ぼうそう)発症予防のために用いられるものと同じワクチンです。
生ワクチンでありウィルスを弱毒化したものなので、免疫抑制剤やステロイド内服中の方や妊婦さんには使用できません。

接種回数:1回
接種方法:皮下注射
有効率:約50%
免疫抑制患者への使用:不可
 (抗がん剤、免疫抑制剤使用している方、ステロイド内服中の方)
妊婦への使用:不可
助成を受ける場合の自己負担金
 (医療機関で支払う金額) 
   1回 4,200円 税込
※全額自己負担の場合 8,800円 税込


②もう一つが「シングリックス 」です。
シングリックス は、帯状疱疹を予防するために独自に開発された世界初の組み換えサブユニットワクチンです。ウィルス表面タンパクの一部を抗原とした組み換えワクチンで、生ワクチンではなく不活化ワクチンであるため、免疫抑制状態の患者さまにも投与できます。持続効果も高く、水痘ワクチンが5年で効果が減弱するのに対し、シングリックスは10年の効果が認められています。

接種回数:2ヶ月間隔で2回
対象年齢:50歳以上の成人
接種方法:筋肉内注射
有効率:50歳以上で97%、70歳以上で89%の効果あり
免疫抑制患者への使用:可
助成を受ける場合の自己負担金
 (医療機関で支払う金額) 
   1回 10,800円 
  (2回接種で21,600円) 税込
※全額自己負担の場合 1回22,000円(2回接種で44,000円) 税込


一度帯状疱疹になるとウイルスに対する免疫機能が上がるため、再発しにくくなりますが、全く再発しないというわけではなく、長い生涯の間で、体の免疫機能が低下すると、再びなる可能性があります。一度なったことがあっても、予防を心がけることは大事ですね。

~当院のワクチン接種は内科で行っております。~
ご希望の方は一度お問い合わせいただくか、来院時にスタッフにお尋ねください。


50歳を過ぎたら帯状疱疹ワクチンの接種をおすすめします(^^)/