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死亡リスクが最も低いのはBMIが18.5~22.4

みなさん、こんにちは。理想的な体重は個人差はあるものの多すぎても少なすぎても良くないということは以前から知られていました。体重(kg)を身長(m)で2回割った数字をBMIとよび、以前からBMI22が最も健康的であるとされていました。今回の文献では生活習慣も加味するとBMI18.5~22.4が最もよいという結果でした。160㎝の人なら47.4~57.3kgとなりますので、幅はあるものの体重は思いのほか少なめの方がよさそうです。

Combined associations of body weight and lifestyle factors with all cause and cause specific mortality in men and women: prospective cohort study
Veronese N et al ,  BMJ 2016;355:i5855

Body Mass Index(BMI)は高すぎても低すぎても死亡リスクが上昇すると言われてきた。米Washington大学のNicola Veronese氏らは大規模コホート研究の参加者を最長32年間追跡し、食事内容、身体活動量、飲酒量、喫煙習慣という4つの要因を加えると、最も死亡リスクが低いのは、健康に良い食事を摂取し、活発に運動し、飲酒量は適度で、喫煙したことがないBMIが18.5~22.4の人々だったと報告した。

 著者らが分析対象にしたのは、Nurses’ Health Study(NHS)に参加した女性とHealth Professionals Follow-up Study(HPSF)に参加した男性。NHSは1976年に始まり、年齢30~55歳の女性看護師12万1701人が参加している。HPSFは1986年から実施され、年齢40~75歳の男性専門職種(歯科医師、薬剤師、獣医師など)5万1529人が参加した。2つのコホート参加者には2年に1回の割合で質問票が送付され、食事(飲酒も含む)の内容、身体活動、喫煙習慣などを調査し、新たに発症した疾患も調べている。ホルモン補充療法と生殖関連の質問はNHSしかないが、それ以外は同じ質問に対する回答が得られている。

 参加者のうち、ベースラインで心血管疾患と癌と診断されていた人、BMIや質問票の生活習慣のデータが確認できなかった人は分析から除外した。今回の研究では、HPSFは研究を開始した1986年をベースラインとしたが、NHSは1980年をベースラインに設定した。その結果、NHSの女性7万4582人とHPSFの男性3万9284人が追跡の対象となった。

 この研究では死亡リスクの低い生活習慣を、喫煙経験なし、1日30分以上の中等度~強度の運動、エタノール換算で1日に女性は5~15g男性は5~30gの飲酒量、代替健康食指数(Alternate Healthy Eating Index)スコアが5段階のうち上位2段階に含まれることと定義した。各要因を0か1かで判定して合計し、0~4点で生活習慣を評価した。

 交絡因子候補として、年齢、人種、マルチビタミンの使用、アスピリンの使用、ホルモン補充療法(女性のみ)、糖尿病・癌・心筋梗塞の家族歴などに関する情報を得た。

 最長32年の追跡で、3万13人が死亡していた。死因は1万808人が癌、7189人が心血管疾患だった。参加者全体ではBMIと死亡率の関係はU字カーブを描き、男性でも女性でも、BMI22.5~24.9の人たちと比べると、それより高くても低くても死亡率のハザード比は増加していた。この経口は交絡因子で補正しても変わらなかった。しかし喫煙歴のある人をすべて除外すると、死亡リスクが最も低いのは、BMIが18.5~22.4の人々になった。

 死亡率のハザード比は、リスクが少ない生活習慣をいくつ実行しているかによって変化した。生活習慣が0点の人では、参加者全体と同様の傾向を示し、BMIが22.5~24.9の人の死亡リスクが有意に低かった。しかし、生活習慣が3点以上の人では有意差がなくなり、18.5~22.4の人のハザード比は0.98(95%信頼区間0.86-1.11)、25.0~27.4の人のハザード比は0.96(0.84-1.09)になった。

 BMIが22.5~24.9で生活習慣の評価が0点の人と比較すると、死亡リスクが最も低かったのは、生活習慣の評価が3点以上のBMIが18.5~22.4の人だった。総死亡のハザード比は0.39(0.35-0.43)、癌死亡では0.40(0.34-0.47)、心血管死亡は0.37(0.29-0.46)になった。喫煙歴のない人のみを対象に分析しても同様で、ハザード比は総死亡が0.45(0.33-0.61)、癌死亡は0.47(0.29-0.77)、心血管死亡は0.41(0.21-0.80)だった。

 これらの結果から著者らは、BMIが高い人でも健康的な生活習慣を送れば死亡リスクを減らすことができるが、死亡リスクが最も低いのはBMIが18.5~22.4で好ましい生活習慣の人だと結論している。