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高LDL-Cの高齢者、エゼチミブで心血管イベント抑制

こんにちは、本日は脂質異常症の治療薬についての文献です。LDLコレステロールの高値は動脈硬化を促進し狭心症や心筋梗塞を引き起こします。LDLコレステロールを低下させる治療薬としてはスタチンと呼ばれる内服薬が頻用されていますが、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬のエゼチミブというコレステロールを低下させる内服薬に高齢者における冠動脈疾患を低下させる作用があることを報告しています。冠動脈疾患リスクの高い場合には腎機能等が問題なければスタチンとエゼミチブの併用等も考慮されます。

Ezetimibe Lipid-Lowering Trial on Prevention of Atherosclerotic Cardiovascular Disease in 75 or Older (EWTOPIA 75): A Randomized, Controlled Trial. Ouchi Y, et al.   Circulation. 2019 Sep 17;140(12):992-1003.

 日本国内で、冠動脈疾患既往がなく低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)高値を示す75歳以上の患者3411例を対象に、エゼチミブによる心血管イベントの1次予防効果を多施設前向き無作為化比較試験で検討した(EWTOPIA 75試験)。

 中央値4.1年の追跡の結果、主要複合評価項目(心臓突然死、心筋梗塞、冠動脈血行再建または脳卒中)の発生率はエゼチミブ群の方が対照群(通常ケア)よりも低かった(ハザード比0.66、95%CI 0.50-0.86、P=0.002)。複合心イベント(同0.60、0.37-0.98、P=0.039)および冠動脈血行再建(同0.38、0.18-0.79、P=0.007)の発生率はエゼチミブ群の方が低かったが、脳卒中発生率、全死亡率および有害事象発生率に差は見られなかった。